歯を抜かないという選択肢

私たちは、なるべく歯を抜かない矯正治療を心がけています。

それは、自分が矯正をする本人なら
抜いてしまいたくないからです。

12歳以上で矯正をする場合、歯を抜いて歯ならびを良くする方法がよくとられます。

歯を抜くことによってその分スペースができるため、残りの歯をきれいに歯列のアーチに並べることができるからです。

多くの場合、抜く歯は決まっていて
だいたい第一小臼歯という前から数えて4番目の歯を左右両方抜きます。

従来の矯正は、この方法をとることが本当に多かったです。(抜歯矯正)

しかし最近は歯の重要性がいわれ、矯正装置も良いものに改良され、歯を抜かずに矯正治療できる症例がとても増えてきました。

たくさん歯はあるのだから左右1本ずつ抜いたって、見た目がきれいに並ぶのだからいいのではないか?
と思うかもしません。

しかし、私ならまずは歯を抜かない選択肢を選びます。

私たちが目指している矯正治療は口の機能を高める矯正治療です。

健康な歯が1本なくなること。
それは口の容積が狭くなり、口の機能が低下することにつながります。

口の機能とは何か?
それは、呼吸、言語、消化、免疫、筋肉。

見た目ももちろん非常に大切ですが、
見た目を良くしたことで口の機能が悪くなってしまうことはとても残念なことです。

今は矯正の装置もとても発達しています。
私たちは、なるべく歯を抜かずに
どうしたら非抜歯でキレイな口元になれるか、
口の機能を一緒に勉強しながら高め、将来健康になる歯ならび矯正をしたいとつねづね考えています。

歯はいつでも抜くことができます。
しかし1度抜いてしまったらもう一生生えてきません。
健康な歯を抜くことに少しでも抵抗を覚えるのなら、
まずは歯を抜かない矯正治療をしてみるという手もあると思います。