子どもの矯正について

 矯正には大きく分けて”子供の矯正”と”大人の矯正”があります。

ふつう、矯正といったら思い浮かべる”ワイヤーによる矯正”は大人の矯正に分類され、”本格矯正”ともよばれます。

日本の今までの矯正治療では、子供もワイヤー矯正が主流でやられてきました。
しかし、最近ではヨーロッパの考え方が日本にも導入され子供がワイヤー矯正をする機会が少なくなってきました。

この、ヨーロッパ式の考え方とはワイヤー矯正とは真逆の考え方の矯正方法です。
ワイヤー矯正は、歯をワイヤーでガチガチに固めて強制的に歯を動かし歯並びをきれいに整えていくアメリカ式の方法です。
これが日本で子供から大人までやられていた一般的な方法です。

一方で、ヨーロッパ式は約11歳までの成長期の子供にしかできない矯正です。
アメリカ式の反対なので、歯をガチガチに固めずにゆる〜く矯正していきます。
矯正装置は、固定式ではなく自分で取り外せます。
装置を口にはめることにより、あごの発育を正しい位置に誘導します

あごさえ正しく発育したら、歯はそこにきれいに並んでいく という考え方です。
あごが正しい位置に発育する ということは、
口の周りの筋肉や舌のバランスがうまく調和がとれているということになるので、歯並びも自然とある程度きれいになっていくのです。

つまり、ヨーロッパ式の矯正とは、
「口の周りの筋肉や舌がバランス良く働くようにする筋肉の矯正装置」でもあり、
「歯並び噛み合わせの矯正装置」
でもあるのです。

子供のうちは、最初からアメリカ式の歯だけの矯正装置を使うのではなく、ヨーロッパ式のあごの発育を助けるのための矯正装置を使うべきです。

なぜなら、現代の子供たちはあごの発育が未発達なことが多く、そのせいで歯が並ぶスペースが足りなくて歯並び噛み合わせが悪いことが多いからです。

あごが未発達であることをそのまま放っといて、
歯だけを並べようとしても
結局スペースが足りなく、健康な歯を抜いてスペースを作らなければならなくなるのです。

理想的なのは、
子供のうちに正しくあごの発育を促し、
その上で歯をきれいに並べるヨーロッパ式の歯並び矯正です。